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アトピー性皮膚炎(成人)

アトピー性皮膚炎のアイコン

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは、痒みのある湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。患者さんはアトピー素因と呼ばれる、“アレルギーを起こしやすい体質”であることが多いです。

乳児期にアトピー性皮膚炎を発症すると、その後の幼児期に小児喘息やアレルギー性鼻炎などを発症し、さらに大人になるまでに気管支喘息やアレルギー性結膜炎などさまざまなアレルギー症状が次々に生じてくることがあります。これはアレルギーマーチと言われています。

アレルギーマーチはアトピー性皮膚炎がきっかけで始まります。子どもでも大人でも、できるだけ早いうちにしっかり治療することが大切です。

アトピー性皮膚炎のイメージ

当院での治療

当院では日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインに沿った治療を行っています。

  • 塗り薬

    保湿剤と、皮下の炎症を抑える塗り薬があります。湿疹になっている部分には保湿剤ではなく、以下のような炎症を抑える塗り薬を塗ることが大切です。

    湿疹やかゆみがおさまった後も、塗り薬を週に1~2回だけ皮膚炎が治った場所も含めて広範囲に塗りつづける「プロアクティブ療法」によって再発の予防を行い、最終的には塗り薬がなくても大丈夫な状態を目指します。

    1ステロイド軟膏

    皮下の炎症を充分に鎮めることができ、その有効性と安全性が科学的に立証されている塗り薬です。
    当院では部位・症状に応じて適切な強さのステロイド軟膏を処方します。処方時にご説明する使用方法を守っていただければ、副作用の心配はほとんどありません。

    2タクロリムス軟膏

    ステロイドとは違った機序で皮下のアレルギー反応を抑える塗り薬です。
    塗りはじめ1週間程度は、ヒリヒリ感がありますが徐々に慣れてきます。

    3デルゴシチニブ軟膏

    JAKというかゆみや炎症の原因になる分子を阻害してアレルギーをおさえる、新しい塗り薬です。
    塗ってもヒリヒリ感がなく、痒みを止める効果が高いです。

    4ジファミラスト軟膏

    PDE4という酵素をおさえることで皮下の炎症をおさえる、新しい塗り薬です。

  • 全身療法

    1シクロスポリン内服

    塗り薬で追いつかない重症の患者さんに短期間使用する飲み薬です。定期的に採血をしてお薬の効果を確認する必要があります。

    2デュピルマブ(デュピクセント)皮下注射

    アトピー性皮膚炎の悪化の原因となるIL-4,IL-13という物質のはたらきを抑えることにより皮膚の炎症の改善を図る注射のお薬です。かゆみと皮疹に対して治療開始早期から優れた効果が期待できます。
    初回のみ2本を皮下注射、その後は2週間おきに1本の皮下注射を行います。自己注射も可能です。

    3ネモリズマブ(ミチーガ)皮下注射

    IL=31というアトピー性皮膚炎のかゆみの原因となる物質の働きを抑えることで、アトピー性皮膚炎によるかゆみを改善する注射のお薬です。13歳以上で使用可能です。
    4週間に1回皮下注射を行います。

    • ②③の治療については、適切なステロイドの外用をしていても症状のコントロールができなかったり、副作用でこれ以上ステロイド外用剤が使えないなどの条件を満たす方のみ使用可能です。

    ほかに紫外線療法や内服JAK阻害薬などもアトピー性皮膚炎の治療に有効ですが、当院では行っていないため必要に応じて施行可能な施設へのご紹介をさせていただきます。

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